手順の2つ目は図1にあるように、価格⇔顧客コストであり、目的は「ポジションに適した価格を決める」ということです。
この項目も4P/4Cの他の項目同様、4Cの「顧客コスト」⇒4Pの「価格」の順で顧客視点から考えていきます。
図1:プライスとカスタマーコスト
「価格」とは顧客からすると「コスト」に他なりません。
顧客からすれば、高い価格設定が信用を印象付けている場合を除いて、多くの場合、価格は安ければ安いほどいいというのが本音でしょう。
低価格が顧客の要望だからといって、安売りをしていると利益を出すことはできなくなります。
従って、価格は経営そのものであり、安易で根拠のない値引きは行ってはいけません。
価格の決定(値付け)について、京セラ・第二電電創業者である稲盛和夫氏は次のように言われています。
「値決めは、製品の価値を正確に判断した上で、製品一個当たりの利幅と、販売数量の積が極大値になる一点を求めることで行います。またその一点は、お客様が喜んで買ってくださる最高の値段にしなければなりません。」
出所:稲盛和夫 OFFICIAL SITE https://www.kyocera.co.jp/inamori/
一言で「喜んで買ってくださる最高の値段」と言っても、非常に難しく、様々なことを考える必要が有り、最低でも次のような項目が挙げられます。
①顧客が感じるベネフィットの大きさ
②競合他社の同等商品の価格(市場価格)と差別化ポイントの大きさ
➂需要に応じた価格設定
④価格弾力性
⑤コストとの関連性をどうするか?
顧客は「必要なモノ」には最低限のお金しか出しませんが、「欲しいモノ」にはお金を惜しみません。
その為、特に①のベネフィットを交えて適正な価格を考えることが重要で、安売りを防止できるとともに、顧客視点からの価格決定に繋がります。
【参考資料】
AISASモデル(消費者の購買行動プロセス)を用いることで、自社の商品やサービスの情報を発信するときに、各行動段階における「効果的なアプローチ方法」を判断しやすくなります。
このAISASとは、「消費者が物を購入する際の5つの購買行動プロセス」のそれぞれの頭文字を取ったものです。
A・・・Attention(注意喚起)
I・・・Interest(興味、関心)
S・・・Search(検索、比較)
A・・・Action(行動・購買)
S・・・Share(感想などの拡散)
この5段階のそれぞれに適した取り組みがありますが、セグメント・ワンを中心にして考慮することが大切です。
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①「価格⇔顧客コスト」の目的は「ポジションに適した価格を決める」ということです。
②値付けの理想は「喜んで買ってもらえる一番高い値段」になります。
➂値付けの項目の中でも、特に「ベネフィットを交えて適正な価格を考えること」が重要になります。 |